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重大な司法の過失:高雄地検の検察官が控訴期限を徒過し、インサイダー取引罪で起訴された日月光COO呉田玉氏らの無罪判決が確定

2026年5月27日、中華民国最高法院は、大手半導体パッケージング企業「日月光半導体(ASE)」の最高執行責任者(COO)である呉田玉氏ら4人がインサイダー取引の罪に問われていた裁判で、検察側の上告を棄却し、無罪判決が確定した。しかし、この注目度の高い金融スキャンダルが最終的な決着を迎えた決定的な要因は、実体法上の無罪立証ではなく、高雄地方法院検察署(現・高雄地方検察署)の検察官が控訴手続きにおいて「控訴期限を忘れる」という極めて初歩的かつ重大な司法の過失を犯し、控訴期限を徒過(遅延)したことにあったため、社会や法曹界に大きな衝撃を与えている。

検察側の起訴内容によると、呉田玉氏は2015年から2016年にかけて、日月光が競合の矽品精密工業(SPIL)を公開買付け(TOB)する際、職務上知り得た重大な未公開内部情報を利用し、秘書やその夫、知人らに矽品株を事前に買い付けさせ、約900万新台湾ドル(約4,000万円)の不当な利益を得たとされていた。高雄地方法院は2020年2月5日、一審で呉田玉氏ら4人に無罪判決を言い渡した。一審判決書の正本は同年2月26日に検察官に送達されたが、その際、判決書の添付資料(アペンディクス)が漏れていた。そのため、高雄地院は3月4日に添付資料を含む完全な判決書正本を再送達した。しかし、検察側が控訴に踏み切ったのは3月20日になってからであり、これが控訴期限の起算日をめぐる数年越しの法廷闘争の火種となった。

この裁判は何度も司法判断が二転三転した。二審の高雄高等法院は、検察官の控訴期限(20日間)は「最初の合法的な送達日」(2月26日)から起算すべきであり(期限は3月17日)、検察側が3月20日に行った控訴は期限切れとして控訴を棄却した。最高法院がこの判断を差し戻した後、差し戻し審(更一審)では実体審理が行われ、呉田玉氏に懲役1年10ヶ月、その他の被告に懲役2年から3年半の実刑判決が下された。しかし、その後の差し戻し後第二審(更二審)で再び手続き上の判断が覆り、最初の送達時に添付資料が漏れていたとしても、その内容は検察側がすでに保有していた証拠資料と同一であり、検察官が判決の理由を理解し控訴権を行使する妨げにはならないとして、再度「控訴期限徒過」による却下と一審無罪判決の維持を言い渡した。最高法院は2026年5月27日、この更二審の法的見解を全面的に支持して検察側の上告を棄却し、呉田玉氏らの無罪が確定した。中華民国の司法の信頼性と金融市場に対する監督威信は、検察官の重大な不手際による手続き上の却下という形で幕を閉じた本件により、多大な打撃を受ける結果となった。