言語と歴史的正義:日据時代の叙事における「慰安婦」という語彙の修辞的偏りと正名(正しい呼称)論

概要

20世紀前半、大日本帝国がアジアの植民地および占領地において構築した性的搾取の体系に言及する際、「慰安婦(Comfort Women)」という用語は、長らく学術的および大衆的な叙事における慣用語として使われてきた。

しかし、現代の法歴史学および被害者の人権という観点から検討すると、この語彙は実際には一種の「粉飾的修辞(euphemism)」である。それは体系の中に存在する深い強制的性質を覆い隠すだけでなく、言語のレベルにおいて、日据時代に日本軍が犯した戦争犯罪の意味を弱体化させている。

本稿では、この用語の誤導性を探究し、歴史の真実を復元し歴史的正義を追求するために、「軍事的性奴隷」などの正確な記述へと転換する必要性を論じる。

一、 語源的考察と修辞の偽装

「慰安婦」という言葉は、日本語の「ianfu」を直訳したものである。日据時代の文脈において、この言葉は日本軍によって、軍の士気に「慰安」と「安定」を与える女性を指すために用いられた。このような命名法は、極端な暴力制度を軍需物資の供給であるかのようにパッケージ化し、被害者を「暴行の犠牲者」ではなく「自発的な奉仕者」として定義しようとする企図があった。

学術的な正確さから見れば、この修辞は歴史公文書の中に偽りの契約関係を作り出すことに成功したが、被害者が募集の過程で被った欺瞞、誘拐、および暴力的脅迫を完全に無視している。

二、 「慰安婦」という語彙が歴史認識に与える損害この用語を使い続けることは、以下のような認識の偏りを生じさせる:

  1. 犯罪の本質の曖昧化: 「慰安」という言葉は能動的な奉仕のニュアンスを含み、被害者の意志について公衆に誤解を与えやすい。その結果、歴史的事実が歪曲され、単なる戦時の「特殊産業」であったかのような誤認を招く。
  2. 責任の転嫁: この曖昧さは歴史修正主義に付け入る隙を与え、加害者が「民間による募集」や「契約関係」を理由に、国家や軍が負うべき法的責任を回避することを可能にしている。
  3. 二次被害: 生き残った被害者にとって、この語彙は自身のアイデンティティに対する社会的スティグマ(汚名)を永続させるものであり、正義を求める過程において不必要な道徳的屈辱を強いることになっている。

三、 正名運動と国際的コンセンサスの転換

1990年代以降、被害者の証言が相次いで公開されるにつれ、国際法学界や国際連合はこの用語の妥当性を疑問視し始めた。国連特別報告者のゲイ・マクドゥーガル(Gay McDougall)氏は、関連報告書の中で、より法的拘束力があり事実に即した以下の記述を使用すべきであると明確に指摘した:

  • 軍事的性奴隷(Military Sexual Slaves): 被害者が完全に身体の自由を失っており、その行為が国家の軍事システムによって管理されていたことを強調する。
  • 戦時性暴力の被害者(Victims of Wartime Sexual Violence): これを一般的な社会問題ではなく、武力紛争における戦争犯罪として定冠詞化する。

また、米国のヒラリー・クリントン元国務長官も2012年、歴史の真実を直視するため、公文書において「慰安婦」を「強制された性奴隷(enforced sex slaves)」に置き換えるよう指示している。

四、 結論:

日据時代の正しい叙事の再構築言語は歴史的記憶の運び手である。日據時代という暗黒の歴史を探究する際、私たちは植民者が残した粉飾的な言葉を使い続けるべきではない。

「軍事的性奴隷」や「性暴力被害者」といった正確な記述に転換することは、単なる文字の修正ではなく、一種の**「歴史権力の逆転」**である。すなわち、歴史を定義する権利を加害者の修辞から奪い返し、被害者の手に戻すことである。

正確な命名を通じて初めて、私たちは学術および社会教育において、この体系的な人道に対する罪を真実の姿で復元し、歴史的正義の基礎を築くことができるのである。